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タイルの基礎から活用まで:種類、歴史、選び方

タイルには、ひとつひとつに物語があります。土や釉薬が使われ、たくさんの人の手仕事を介して作られる建材です。
サスティナブルにも貢献していて、廃材を使ったタイルや、天然素材を使ったタイル、リデュースされたタイルなど、色々なタイルがあります。

私たちの日常に溶け込むタイルの世界には、種類、歴史、選び方、そして施工方法に至るまで、知っているともっとタイルが身近に感じられる情報がたくさんあります。
家作りやインテリアデザインにおいて、タイルは、彩り豊かなだけではなく、サスティナブルで機能性にも優れています。

家づくりや、リフォーム、DIYにタイルを使ってみようかな。と思う方はぜひご一読ください。

タイルとは?

「タイル」という言葉は、古代ラテン語の「tegula」(テグラと読みます)が由来で、「覆う」という意味だそう。陶磁器製の建材は、古くから世界各地の地域素材でつくられています。

家の壁や建造物を美しく装飾し、そして実用的に使われています。耐久性や美しさに加え、インテリアデザインの観点からも、その価値は非常に高いとされています。

タイルの歴史:古代から現代へ

タイルの使用は古代文明にまで遡ります。紀元前27世紀、世界最古のタイルといわれているタイルは、ジェセル王の階段に施釉タイル(釉薬を施したタイル)が使われているそうです。(参考:タイル手帖 (一社)全国タイル業協会)

古代エジプト、ローマ帝国では、タイルは公共の建築物や豪華な住宅を飾るために使用されていました。

中国でも、イスラム地域でタイルが発展し、デザイン性の高い、デルフトタイル、マジョリカタイル、ヴィクトリアンタイルなど製造されていきました。(だいぶ省略…)

日本においては、6世紀に仏教とともに中国から塼(せん)と呼ばれるタイルの原型となるものが伝わったとされています。寺院の建築やお墓に使われたというから、かなり長い歴史の建築材料であることがわかります。

12世紀頃、平安時代から鎌倉時代には、陶器製造が各地で産業として始まり、時代をへて、明治時代にはマジョリカタイルやヴィクトリアンタイルなど工業的タイルの生産が行われました。

各時代や地域におけるタイルは、文化や技術の進歩や歴史を映し出す重要な要素となっています。

タイルと名付けられたのは「1922年」。2022年にタイル100年を迎えました。
現在は、形や装飾、機能性などの工夫とデザイン性が高い様々なタイルがつくられています。

タイルの種類と特性

タイルは種類が豊富にあります。色、サイズ、形だけでなく、製法や面状によっても言い方が変わります。

◾️用途別タイルの種類

屋外壁タイル
小口平(こぐちひら)、二丁掛け(にちょうがけ)やスクエア、50mmのモザイクの形状など

屋内床タイル
100角タイルと呼ばれる10cm×10cmの正方形タイルから、600角タイルなど

屋外床タイル
100角タイルから600角を超える大判タイルまで、階段に使われるタイルや滑り止め加工されたタイルなど

屋内壁タイル
モザイクタイルやデザインタイル、調湿や防臭効果のあるタイルなど

浴槽床タイル
住宅やホテル、旅館やプールなどの床タイルなど

その他ガラスタイルやコルクタイルなどまだまだたくさんの種類があります。

◾️釉薬(うわぐすり)別タイルの種類

施釉(せゆう)タイル
表面に釉薬と呼ばれる顔料などを施したもの

無釉(むゆう)タイル
釉薬を施していない、素地がそのまま焼かれたもの

◾️吸水性別タイルの種類

2008年よりタイルの品質表示方法が変わり、I類〜Ⅲ類になりましたが、なかなか覚えられないので、こちらでは旧区分で種類を分けました。

磁器質タイル
高温で焼かれることで硬くなり、耐水性に優れています。キッチンやバスルームなどの水回りに適しています。
お茶碗の音と同じ音がするタイルが磁器質タイルです。

陶器質タイル
多孔質で吸水性があり、温かみのある質感が特徴です。リビングや寝室など、より居心地の良い空間作りに適しています。

セッ器質タイル
磁器質と陶器質の中間的な特性を持ち、内装・外装問わず多用途に使用できます。色や質感、形状も多様で、デザインの自由度が高いです。

タイル施工

タイル選びの基本

タイルを選ぶ際には、その用途や設置する場所のスタイルに合わせて選ぶことが重要です。

内装用タイルの選び方
内装では、特に水回りには耐水性のあるタイルを選ぶことが大切です。
目地の有無によっても雰囲気が大きく変わります。
リビングや寝室では、温かみを感じるタイルを選ぶことで、空間をより居心地の良いものにします。

外装用タイルの特徴
外装用タイルは、日差しや雨風に強い耐候性が重要です。
色あせしにくく、様々な気候条件に適応する素材が選ばれることが多いです。
防臭や抗菌効果、クリーニング効果のあるものなど、機能性が高いタイルを選びましょう。

モザイクタイルとその用途
小さなタイル片を組み合わせることで、ユニークなデザインを生み出します。
バスルームやキッチンのアクセントや、プールの装飾にも適しています。
モザイクタイルを使った小物やアクセサリーも人気です。

タイル施工の基礎知識

タイルはデザイン性も耐久性も機能性も高い建材ですが、施工に関しては、難しいといわれることが多いです。
DIYなどでも人気のタイルですが、事前準備や道具や副資材、施工方法、そして後のメンテナンスが重要になります。

流れ
施工前の準備

タイル施工に必要な道具、副資材、タイルを用意します。
施工する場所によっても接着するものが変わりますので、よく確認することが必要です。

タイルの割り付けやおさまりを決めます。どこを中心にするのか、始まりにするのか、タイルの端切れの部分はどうするのかなどを決めます。

施工手順を確認します。
施工する場所の下地が平らで清潔、乾燥していることを確認します。
下地が不均一だとタイルの接着に影響します。

タイルは接着剤を使って固定し、タイル間の隙間に目地材を充填します。
施工後は、余分な目地材を取り除き、タイルを清掃して仕上げます。

メンテナンス
タイルは定期的な清掃が必要です。特に目地は汚れやカビを防ぐために注意し、タイルの種類に合った清掃材料を使いましょう。

サスティナブルなタイル エコフレンドリーな選択を

リサイクル素材を使用したタイルや、環境に優しい製造プロセスを取り入れたタイルは、地球環境を守るための選択肢として注目されています。
日本でも世界でも、プラスチックの再利用や、レンガ、瓦礫などをタイルにしたものが駅や施設に使われたりすることも増えています。
サスティナブルなタイルの使用は、未来への責任ある選択です。

シゲタコーポレーションは、サスティナブルな未来を掲げ、デッドストックの廃盤タイルや、工事現場で廃棄されてしまう使われなかったタイルなどを大切に保管し、修繕やDIY、リフォームなどの必要な方に購入いただけるタイル店です。
昔のレトロなタイルや、昔はよく使われていたのに製造停止になってしまったタイルなどが見つかる可能性がありますので、タイルをお探しの際はぜひお気軽にご相談ください。

タイルとインテリアデザイン

タイルはその多様性と美しさで、歴史的建造物から、住宅まで、建築デザインにおいて大きな役割を果たしています。
商業施設や撮影の背景などでもタイルをつかうことで唯一無二の空間を作ることができるクリエイティブな建材です。

キッチンの背面や、バスルームや洗面の壁、リビングのアクセントウォールなど、タイルは様々な場所で特別な場所を作ることができます。
レトロからモダン、クラシック、カントリースタイルまで、タイルの選択によって様々な雰囲気を演出することができます。
家族や大切な人、大切な時間を過ごす場所にぜひタイルを取り入れてみてはいかがでしょうか。

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